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小児について

Q

去年の6月頃から毎朝、頭痛・めまい・不快感などで起きられず不登校になりました。小児科の先生にナウゼリン、メニスロンを処方されましたが効かず、精神科の先生を紹介され、うつ病の薬治療をしましたが、朝の頭痛などは改善されませんでしたので、自己判断で去年 11 月に薬を止めました。今も朝はキツくて起きられません。昼過ぎや土日はかなり緩和されます。母親は生理前によく吐いてましたが、その後くも膜下出血を発症しました。たぶん頭痛は小学生の頃からだったと思います。その頃も何度か朝頭痛で学校を休んだ覚えがあります。慢性頭痛でしょうか?何か薬や鎮痛剤はありますか? 頭痛外来で治療した方が良いでしょうか?

性別:男子

年齢:13 歳

​ハンドルネーム:

いつから頭痛がはじまったか:去年の 6 月頃

A

幼稚園(または小学校)の頃に起立性調節障害や周期性嘔吐症候群(吐きやすい・吐いてすっきりする)を認め、思春期から体位性頻脈(頻拍)症候になったとすると、覚醒睡眠のリズムにおいて、睡眠相が後退しやすかった(脳が朝と自覚する時刻が遅くなる)可能性などを考えます。乗り物や学校での体育・人ごみなどで具合悪くなったりすることへのプレッシャーや保健室へ行くまたは、腹痛でトイレに行くことなどへのストレスがかかると心理社会的な頭痛の併発も疑われます。頭痛外来で幼少時からの経過を含めての診察をお勧めいたします。担任・養護教諭やスクールカウンセラーとの連携が必要なことがあります。

Q

中学生ですが、昨年の同じ時期~頭痛が始まり、学校を休む事が多くなって、10月~は、学校に行けていたんですが、又今年の 5 月~ひどい頭痛で学校を休んでいます。朝頭痛で起きられず、午後 3 時頃やっと活動出来る状態です。昼間寝てしまうせいで、夜なかなか寝られません。今、頭痛薬をお医者さんから処方して頂き、ロキソニンを飲んでいますが、効かない様子です。今後どう治療して行ったら良いのでしょうか?高校受験もあり、勉強ができない状態で困っています。

性別:男性

年齢:14 歳

ハンドルネーム:ずき

いつから頭痛がはじまったか:昨年の 5 月末頃~9 月末頃まで、今年の 5 月 24 日~ 現在も続いています。

A

痛みや痛み以外の具合悪さを言葉に表すことの苦手な子供の場合には、片頭痛があっても周囲が気づかないことが少なくありません。しかし、子供の片頭痛をたかが頭痛くらいと軽くみていると、特に親が頭痛もちである場合は、子供が頭痛を訴えたり、不機嫌が目立ってきた際に、早めに専門医を受診し、適切な治療を受けさせることをお勧めいたします。小児・思春期には起立性低血圧が多く、小児の片頭痛の特徴として周期性症候群といって、不安や緊張したときに腹痛やめまい・動悸、さらに嘔吐を周期的に繰りかえすこと があります。病院では、盲腸(虫垂炎)や腸ねん転などの腸疾患を疑われたりします。また、小児科では、起立性調節障害は自家中毒だから大人になったら治りますよと言われることが多いです。しかし、現実は、生活・学業や健康に支障を来す片頭痛に高率に移行することが解っています。また、起立性調節障害様の病状を呈する体位性頻拍症候群という病気が隠れている患者では、体内時計がくるう(睡眠相が後退し朝に脳が起きない)ことや、 起床後の 14 時間後に眠る脳が働かない)ために、夜寝れない(脳が寝ない、昼集中できない)、行きたい学校にもいけないことになる可能性もあります。親に心配をかけないようにと辛さを表現しない子供の場合では、辛さをため込み、病状を悪化(慢性連日性頭痛)させて不登校になったり、抑うつ状態になったりして、心療内科やメンタルの病気があるのだと根本原因を間違えるような事態をまねくこともあります。このような(大人の片頭痛の特徴が目立たない)特徴のある小児の片頭痛には頭痛専門医の受診が必要ではないでしょうか?小児の片頭痛の治療では、塩酸シプロヘプタジン(ぺリアクチン)などの抗セロトニン作用と抗アレルギー作用とも併せ持つ薬剤とアセトアミノフェン・(市販薬でない)イブプロフェン(軽症)または、トリプタン(中等症以上)の適応であると考えます。もし片頭痛である場合には、ロキソニンを始めとした消炎鎮痛薬は原因である脳への根本的な効果はないと考えて大きな間違いはありません。頭痛外来で小児期からの診察をお勧めいたします。学校環境(周囲の理解)家庭環境(痛みが無くなりさえすれば治るということではないこと)を整えるために、担任・養護教諭やスクールカウンセラーとの連携が必要なこともあります。

Q

中学 3 年になる息子の事です。昨年の 5 月末~ひどい頭痛で、学校を休むようになり、ようやく昨年 10 月~また、学校へ行けるようになったのですが、また、今年の 5 月末~頭痛がひどくなって、学校を休んでいます。心療内科に通っています。低血圧があり、血圧を上げるリズミック錠 10 ㎎頭痛薬インフリーSカプセル 200 ㎎を飲んでいます。血圧は 109ー68 位になりますが、頭痛がすっきりなくなる訳ではないようです。朝が悪く、夕方 5 時頃~活動出来るようになります。勉強をやる気が無く、困っています。また、10 月がくれば、学校へ行けるようになるのでしょうか?心配です。6 才年上の兄も大学生ですが、高校 2 年の 5 月頃~頭痛で、学校を休みやっとの事で、高校卒業し、大学へ進学しましたが、ずっと頭痛があり、大学も休みがちです。このままだと、社会へ出て働くことも出来ません。兄は、頭痛で、眠れば多少楽になるからと、寝てしまうのですが、12 時間寝ても、よく眠れたという感じがない様です。頭痛の予防薬や、偏頭痛の薬も飲んでいますが、よくなりません。兄弟で似ているのでしょうか? どうしたらいいのか困っています。

性別:男性

年齢:14 歳

ハンドルネーム:中 3

いつから頭痛がはじまったか:去年 5 月末~

A

頭痛を専門にしている立場で診療していると、幼少時に血圧(数値)が低かったがために“朝に低血圧で身体が起きないのだ”と‘昇圧薬’を内服して、てき面に慢性悪化している症例を多く経験します。ところで、脳の血流循環は、脳血管の自動調節能(脳の血管は「脳血管の自動調節能」という働きを持っています)や恒常性(その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向)によって頑丈に守られています。したがって、脳内環境は腕で測る血圧(数値)変化の影響をほとんど受けず、症状も気がつきにくいのです。例えば、スポーツ選手がかなりの低血圧(数値)でも肥満者が高血圧(数値)でも  無症状であり、頭痛(頭重も)がなく、息子さんのような片頭痛患者にみられやすい腹痛・乗り物酔い(ふらつき)・起床困難や不眠(体内時計の異常)も来しません。血圧の  数値に一喜一憂しすぎるのは、体温が 35。5℃でいつもより低いので病気でしょうか? と気にしすぎることに似ています。本来、体温や血圧は、まさに『自律』して十分にコントロールされているもので、むやみに介入するべきものではありません。したがって、起立性調節障害治療によく投薬されるミドドリンなどの交感神経刺激薬(リズミックも類似成分で末梢交感神経のノルアドレナリンを増加させて神経の伝達を介して、血管系(α刺激作用)や心臓系(β1刺激作用)に働いて血圧を上昇させる)は、片頭痛の上記、 随伴症状(自律神経症状)と体内恒常性やサーカディアンリズム(体内時計など)の両方  を悪化させることが多いです。但し、厳密には、ヘッドアップティルトテーブルテスト(ベッドで頭位を上げて、血圧の下降と脈拍を診る検査)で、体位性頻拍症候群や起立性調節障害の病態の関与に関しての診断も必要です(実際には、起立して血圧の変動と脈を測り臥位と比べることでかなり解ります)。ところで、病歴と家族歴をみますと、息子さんは、小児期には(起床時に多い頭痛で僧帽筋の凝りと圧痛、刺激による疼痛が、体位変換による脳血流低下やノルアドレナリン過剰反応性などとされる病態)、『小児起立性調節障害』であった可能性も否定できませんが、ここ数年の病状は、典型的な片頭痛が根本で自律神経症状が強度となっている可能性が高いのでは?と考えます。したがって、夜はゲームやテレビは 22 時で止め、朝早く起きて、日の光にあたり、手足を動かし(体内時計を朝にスイッチを入れる。すると眠りのスイッチが 14 時間後に入るようになる)、スナック菓子やコーラや過量なカフェインを控える。そして、毎日の朝食(果物やヨーグルトでも可)で小腸の機能を高め、消化管のセロトニン神経を丈夫にし、セロトニン神経の不安定性を是正する。一方、一度セカンドオピニオンを「頭痛外来」で受けることをお勧めいたします。昇圧薬を漸減中止し、トリプタンの適応の有無まで診断を受ければ、改善する可能性が高いと判断いたします。子供の慢性頭痛は、一度良くなると、それまで悪かったことが不思議なくらいすっかりと良くなることを経験していますのであきらめないで治療を受けてほしいと思います。片頭痛はもともと脳の過興奮性という遺伝的素因があることが多数報告されております。お兄さんも類似した原因の疑いがあります。

Q

中学2年生の息子の相談です。夏休み宿題もろくにやらず部活サッカーとスマホゲーム三昧でした。昼間は学校でサッカー練習、夕食後は、自室にこもってスマホゲームにはまってます。多分遅くまでやっているのでは? 9 月から学校が始まるので、そろそろ朝起き練習と思い、朝起こしに行くと頭痛がして起きれないと言います。夏休み中、炎天下で激しいスポーツのせいかな?ゲームのやりすぎってこともありますか? 市販の薬で様子を見ていますが、ほっておけば治るでしょうか?

性別:女性

年齢:45 歳

ハンドルネーム:ママさん

いつから頭痛がはじまったか: 中学2年生

A

ご両親のどちらかが片頭痛であれば、息子さんも片頭痛の可能性が高いと考えます。光・音・におい・味などに敏感で乗り物酔いしやすく、嘔吐(腹痛や悪心)を伴う不機嫌症状があれば、片頭痛の可能性がより高くなります。ただ、小学から中学生の片頭痛は、成人の片頭痛らしくない点があります。運動会やクラブ活動の後にほっと一息ついてやれやれとする間もなく、どっと疲れたと寝込んでしまったり、それほど頭痛を訴えない割に、嘔吐(腹痛や悪心)や下痢などが強いこと、動くと悪化する(特に起床時) ことが多いです。たとえ痛みがあっても成人の片頭痛のズキンズキン痛むよりも頭の締め付け感(緊張型頭痛様)が強いです。また、成人の片頭痛は週末多いのですが、子供の片頭痛は、週半ばに起こりやすく週末にはケロッと元気になることもあります。その反対に学校に登校中、歩行しながら頭痛と悪心が増強する、屋外や屋内での体育の授業中にめまいや頭痛とだるさや微熱を訴え、保健室に行くことがあり、お腹の風邪だとか、身体が弱いだとか、登校拒否と誤解を招く心配さえあります。一度、頭痛外来の受診をお勧めいたします。小児の片頭痛においては、頭痛の誘因を知ることが第一です。そして、その誘因を避けることです。また規則的な睡眠・食事・運動・認知行動療法やストレス治療などの非薬物療法が進められますし、片頭痛は小児においても、生活支障度が高い場合は、薬物治療が必要となります。

Q

中学3年男子の母です。脳脊髄液減少症について教えてください。幼稚園~小学生はクラブチームで、中学ではサッカー部とサッカー歴10年になるのですが、ヘディングのやり過ぎで脳脊髄液減少症になりますか?最近、よく頭が痛いと言うようになったのですが心配です。どこに相談すればいいのでしょうか?

性別:男性

年齢:15 歳

ハンドルネーム: 中3

いつから頭痛がはじまったか:3ケ月前ころから

A

脳脊髄液減少症は、なんらかの原因で髄液が入っている脳脊髄腔から髄液が漏出し、脳脊髄液が減少して、大脳・小脳・脊髄などが下垂し、頭痛だけでなく中枢神経系・自律神経系・循環器系・感覚系・免疫系・消化器系、その他に倦怠・易疲労など多彩な症状が現れる病態とされています。しかし、脳脊髄液減少症が知られるようになってまだ10数年程度であり、原因やメカニズムが明らかになっていないことが多いのが現状です。一般にヘディングで髄液が漏れることはなく、やり過ぎでも脳脊髄液減少にはならないものと考えます。お子様の症状ですが、起きていると頭痛(起立性頭痛)があり、めまいや吐き気を伴いますが、横になると一連の頭痛症状が軽減する場合には、脳脊髄液減少症が疑われますので専門医に診てもらうことをお勧めします。起立性頭痛では、脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)と体位性頻脈症候群(体位性頻脈症候群は頭痛やめまいの合併が多く、鎮痛薬の効果がないことが多い疾患)の鑑別も必要です。当時のあのヘディングで脳脊髄液が漏れたのではないか?という不安がストレスとなり自律神経(交感神経)を緊張させて頭痛症状が強くなることもありますし、くしゃみだけでも髄液が漏れるとも言われています。また、脱水や低気圧で髄液が減るなど様々の誘因も報告されています。小児の脳脊髄液減少症は、起立性障害・適応障害・線維筋痛症・片頭痛の鑑別が必要です。症状が良くなったり悪くなったり長期に及んでいる場合には、脳脊髄液減少症も疑うことになります。可能性のある各種頭痛性疾患に関し、頭痛外来での診察と検査をお勧めいたします。

Q

中学一年生の娘の母です。娘は、運動も大好きな活発な女子です。小学生時代はバスケットをしておりました。中学に入り、とても練習量のハードな部活のバレーボールを自分で決め入部しました。覚悟していたとはいえ、予想以上の練習量。朝練から毎日7時までの夜練。土・日曜も 1 日練習で、疲れもピークを迎えた時の 8/3 に部活中、体育館で頭痛と吐き気の熱中症でダウンしてしまいました。次の日は丸一日休みましたが、頭痛と吐き気がおさまらなく、それでも次の日からは部活に参加し、病院に行きました。食欲がなく、体重が3キロ落ちたので点滴をし、部活を見学したりしました。ダウンした日から、一日中続く慢性頭痛が始まりました。クリニックから総合病院へ~小児科や神経内科~CT、MRI、血液検査は異常なし。特に薬は処方されず全く変わらないので、又、違うクリニックへ。鍼灸整骨院や心療内科へ。心療内科では、強い薬が処方されると怖いのでカウセリングと漢方薬を希望。初潮が 5/15 から全く止まり、ホルモンバランスが崩れ自律神経が狂い、環境も一気に変わったのが原因と思われるが、毎日部活中も授業中も、寝る寸前まで頭痛に悩まされています。可哀想でなりません。今となっては薬も、気休めで飲んでいる状態で、全く効果がありません。

①コカール、ナウゼリン。②ロキソマリン、レバミビド。③ゾーミックRM。④メトロジン。⑤ジヒデルゴッド t。

どれも2週間ずつ飲み、効かずにいます。病院に行っても変わらないので、娘は諦めています。こんな状態でも、部活を休みたがりません。一年生でもあるし部活を休む事は、人間関係も崩れてしまうし、頑張ればバレーも上達し試合にも出させてもらえる希望もある。基本、本当に真面目な子で、曲がった事ができません。

総合病院は、病気じゃ無いから、神経質に考え込まなければ治ると、向き合ってくれないし、親として毎日が悔しくて仕方がありません。心身共に、元気で笑顔のある娘を取り戻したい。食欲は旺盛ですので、毎日バランス良く楽しい食卓になるように心がけています。娘が部活から帰宅し、頑張ったねと温かく迎え安らぐ様に努めています。が、変化はありません。本当に、家族中で悩んでいます。どうか娘を助ける手段は無いでしょうか。

性別:中学生 女子

年齢:13 歳

ハンドルネーム: ターコイズ

いつから頭痛がはじまったか:2014 年8月3日~

A

娘さん、ご心配ですね。まず、最初に検査に異常のないことを病気ではないという先生を受診するのはすぐ止めるべきですね。画像や検査は、命に関わる原因の二次性頭痛を除外したに過ぎません。片頭痛とはもともと脳の過興奮性という遺伝的素因があることが分かっていますが、検査で異常がないところが特徴で、ここからがスタートです。さて、結果としてさまざまな脳の症状(倦怠・吐き気・頭の痛さなど)を起こしたトリガー(誘因)と脳の症状の強さ・長さ・支障度と、治療薬(何を飲んでどうだったか?)を頭痛ダイアリー(頭の痛さだけではない脳症状日記)に書いてみることをお勧めいたします。これだけでも、娘さんの脳の状態が把握でき、辛い状態から改善する可能性が格段に高まります。さらには天気・気温や生理(月経)・体温との関連(高体温後の生理-1日目が多い?外気から室内に入った後?)、学校やクラブのイベントとの関係(緊張の後?)、起立時かつ夕方の頭痛(脳脊髄液減少の可能性)、曜日との関係(平日の午前に多い?)や、食事の時刻との関係(空腹時か否か)を客観的に記録してみて、起こり方(急かあくびの予兆ありか?)や、回数、平日登校時に起こる?暖房の効きすぎた風通しの悪い部屋の環境、ブルーライト(テレビだけでなくスマホやゲーム)の多さなどライフスタイルを見詰めなおしてみましょう。幼少時からの性格(セロトニン気質)や脳の特徴(自家中毒症状があったか?乗り物から横に流れる景色を見ていて酔いやすかったか?吐き気があり嘔吐しやすかったか?腹部の不快が多かったか?など)も思い出しながら書いてみます。ところで、頭痛を専門にしている立場から気になる服薬があります。それは朝だるさや、つかれが取れないのは“朝が低血圧で身体が起きないのだ”と‘昇圧薬メトリジン’を内服して、てき面に慢性かつ悪化している小児の症例を多く経験するからです。血圧とは、本来、自律して十分にコントロールされています。血圧の数値に対してむやみに介入するべきではありません。したがって、起立性調節障害治療によく投薬されるミドドリンやリズミックなどの交感神経刺激薬(末梢交感神経のノルアドレナリンを増加させて神経の伝達を介して、血管系(α 刺激作用)や心臓系(β1刺激作用)に働いて血圧を上昇させる)は、片頭痛の、随伴症状(自律神経症状)と体内恒常性やサーカディアンリズム(身体の働く時間)の両 方を悪化させることが多いのです。但し、厳密には、ヘッドアップティルトテーブルテスト(ベッドで頭位を上げて、血圧の下降と脈拍を診る検査)で、体位性頻拍症候群や起立性調節障害の病態に関しての診断も必要です(実際には、起立して血圧の変動と脈を測り臥位と比べることでかなり解ります)。さらに、ジヒデルゴットにも血圧を上げる作用があり、昔の片頭痛治療薬であるカフェルゴットと同じく、酒石酸エルゴタミンといい、言わば、昔の片頭痛の治療薬です。これは、片頭痛が軽症かつ早期内服でしか効果(NSAIDsと同等かそれ以下)がなく、小児の片頭痛には、早期の服用が難しい(予兆が分かりづらい)ばかりか、たとえ、内服してもエルゴタミン特有の消化管への作用(嘔吐や腹部不快症状が頻発)が著明です。昨今では、トリプタン治療においても、頻回に頭痛がある患者さんに対してのみ服用することがあるぐらいです。また、ゾーミッグがトリプタンの中で最も脂溶性が高い(脂溶性の脳に移行しやすいため中枢の副作用が出やすい、倦怠や耳鳴りや脱力など)ことも有名です。昇圧剤による自律神経障害とエルゴタミンによる消化器副作用とゾーミッグによる倦怠の増悪により体重が減った可能性も疑われます。一度、セカンドオピニオン頭痛学会認定「頭痛外来」で受けることをお勧めいたします。きっと、頭痛ダイアリーで娘さんの脳の状態を診断してくれると思います。さらに、昇圧薬を漸減中止し、娘さんに合った予防法、予兆時の治療やトリプタンの種類や早期服用の指導を受ければ、改善する可能性が高いと判断いたします。子供の慢性頭痛は、一度良くなると、それまで悪かったことが不思議なくらいすっかりと良くなることを経験していますのであきらめないで治療を受けてほしいと思います。

Q

子供は、小さいころからてんかん持ちです。3 か月前にてんかん発作があった時、その後、頭が痛いって言っていたのですが、てんかんと頭痛って関係あるのでしょうか? 主治医の小児科の先生からは様子を見ましょうと言われて、その後、発作が治まっているのですが、ちょっと心配です。

性別:小学生男子

年齢:8歳

ハンドルネーム: わんぱく

いつから頭痛がはじまったか:3か月前に

A

かなり以前から良性の後頭葉てんかんや良性ローランドてんかんやけいれん発作を伴わない皮質網様体てんかんなどの特定のてんかんという疾患には片頭痛が共存することが多いとされていました。近年では、片頭痛とてんかんとの間には複雑で双方向性の関係があることが様々な研究から明らかになってきています。また、診断としても“てんかん”と“片頭痛”の関連した病名として『てんかん発作による頭痛』の中に「てんかん性片側頭痛」と「てんかん発作後頭痛」があります。息子さんは後者の可能性があります。すなわち【てんかん発作後3時間以内に起こり、けいれん発作終了後 72 時間以内に自然に軽快する頭痛】と記載されています。「てんかん発作後頭痛」は側頭葉てんかんと前頭葉てんかんのいずれでも 40以上の患者に起こり、後頭葉てんかんの 60までの患者におこる。他の痙攣に比べ、より強直間代痙攣後にしばしば起こるとされています。てんかんもそうですが、片頭痛も、もともと脳の過興奮性という遺伝的素因があり、身体的・心理的・物理的トリガーが脳の恒常性を崩壊させ、脳の感受性が高まっている体質があり発症します。片頭痛は‘頭の痛さ’さだけではなく、閃輝暗点やちかちかする光過敏、音の障わしさ、視覚前兆や不思議の国のアリス症候群や自律神経症状・感覚・運動・行動異常など様々な脳・自律神経症状を伴います。また‘片頭痛の前兆により誘発される痙攣’という診断も国際頭痛診断基準に明記されています。お子様の病状は『てんかんという疾患』と『頭痛という疾患』の両面から診療を受けることが望ましいものと考えます。日本頭痛学会HPでは3版 beta版(ICHD-3β) 日本語版が公開されています。日本頭痛協会HPでは、2014年11月5日慢性頭痛GL市民版が出版されています。

http://www.zutsuu-kyoukai.jp/ニュース/

ご参考にされていただけましたら幸いです。

Q

小さい頃から頭痛持ちでよく早退していたのですが、小学校高学年頃から朝から頭痛が多くなり、今年中二になってからはほとんど朝起きられなくなってしまいました。お昼過ぎからは動けるようになることが多く、血圧が低めだからと小児科で言われてます。起立制障害の検査はしましたが少し傾向がある程度と言われました。年齢的な事が多いように言われるのですか、少しでも良くなって学校に行けるようになりたいのですが、どうすれば良いでしょうか?

性別:男性

年齢:13 歳

ハンドルネーム:学生

いつから頭痛がはじまったか:幼稚園

A

お困りですね。血圧が低めだからということだけが原因ではないものと推察いたします。子供の頭痛も大人同様治療が必要な頭痛の代表は片頭痛です。しかし、“小児・思春期頭痛”の特徴にも留意が必要です。一度は、脳腫瘍(テント下が多い)を除外し、頭痛がてんかんの一つの症状になるてんかん性頭痛も考慮しましょう。片頭痛治療薬が効かない難治性頭痛も多いのも事実です。年齢に着目(小学高学年以降は、心身ともに不安定な思春期で、精神疾患:不安症群、身体症状症、うつ病、発達障害などの共存症に注目)し、頭痛が起きる時間帯に着目(学校のある平日の朝に多い(金曜日夜から軽減し、日曜日の午後から悪化)、夏休みは軽減(2 学期が始まる 1 週間前から悪化)起立性低血圧・体位性頻拍症候群が多いです。いわゆる脳貧血(脳に血が足りない)です。これでは、起き上がれませんし、登校拒否(行きたくても動けない)につながります。小児の片頭痛は、大人が休みで悪化するのとは異なり、自宅や休みはケロッとしていて、平日朝に悪化する、学校に登校中、歩行しながら頭痛と悪心が増悪する、屋外や屋内で体躯の授業中にめまいや頭痛とだるさや微熱を訴え保健室に行くことがあります。保健室では時間制限(1 時間ルール)がありまから、お腹の風邪だから早退させられた後に改善することが多いです。頭痛も両側性で前頭部が多く、頭痛よりもめまいや吐き気・腹痛が多く、診断がつきにくいので、一般医に、“怠け病かも”のようなことを言われたことはないでしょうか?専門医にかかり、苦痛を我慢せず、受け入れてもらうこと、患児(子供)の性格・置かれた生活環境をよく見ること、我慢しないことが何より重要です。それから、親に心配をかけたくない(良い子を演じている)ため、症状を言わない(言語化しない)と徐々に感情が平坦になっていきやすく、どうせダメだというネガティブ思考に発展してうつ状態に至っている子供さんも散見いたします。自分の気持ちを言語化するのが苦手な、いわゆる良い子にストレスがかかると頭痛が慢性化しやすいので保護者と別に子供から話を聞く時間を設定することを提案いたします。日本頭痛協会の小児・思春期頭痛のコーナーを参考にして下さい。

Q

先日、友達が泊まったとき歯ぎしりがすごいと指摘されました。そういえば朝起きた時、顎が痛かったり、頭痛が起こったりします。歯ぎしりと  頭痛は関係あるのでしょうか?

性別:男性

年齢:32 歳

ハンドルネーム:会社員

いつから頭痛がはじまったか:歯ぎしりと頭痛について

A

頭痛と歯ぎしり、特に片頭痛患者さんにおける歯ぎしり・くいしばりや顎関節症とは、片頭痛の慢性化の芽(後述)とされ注目されています。一般に、片頭痛の患者さんは、脳の興奮性が高く、くいしばりや歯ぎしりが多いとされています。あなたの歯ぎしりは、かなり以前からありましたか?もしそうであるとすると、二次的に顎関節症関連症状や胸鎖乳突筋起始部から終点(乳突起)に関連痛として耳周囲の痛みが放散している可能性があります。通常は、後頸部(三叉神経頚神経複合体付近)に圧痛が多く認められますがいかがでしょうか?それとも、幼少時から乗り物酔い・人混みが不快で、光音臭い過敏があり、体動で繰り返す悪心と拍動性頭痛があったでしょうか?もし、そうであった場合には、もともと片頭痛であった可能性があります。あなたの主訴である朝起 きた時の顎が痛いだけでなく頭痛が起こるということは、片頭痛関連症状としての噛み締めによる歯ぎしりととらえることもできます。

頭痛大学で有名な、間中先生は、片頭痛の慢性化の“芽”には、①内的要因; 遺伝・性格行動特性・内分泌、②身体的要因(共存症);肥満・いびき(睡眠時無呼吸)・精神疾患・心理社会的ストレス・『顎関節症(噛み締め・歯ぎしりを含む)』、③外的因子;鎮痛薬乱用・カフェイン・頭部外傷とご報告されています。『頭痛外来』を受診し、広く頭痛(疼痛)性・睡眠障害性疾患として包括的に①②③の診療を受けることをお勧めいたします。

もし、二次的に顎関節障害(およびその関連痛)が高度であることが分かれば、歯科口腔外科と協力した  診療も加味していただけるものと考えます。

Q

現在高校1年生の息子の頭痛がひどく、約1ヶ月学校に行けない状態が続いています。初めて頭痛が起きたのは中学2年の時で、起立性調節障害から片頭痛が起きていると小児科で言われ、ナチルジンを3ヶ月飲み、痛み出したらイミグラン点鼻薬を使用していました。季節の変わり目に症状が悪化することが多く、ひどくなると薬が何も効かなくなってしまいます。今までは、時が経つと自然におさまっていたのですが、今年は痛みがどんどんひどくなり、点鼻も効かず、マクサルトを試してみましたが少し良くなるぐらいで、またしばらくすると元の痛みに戻ってしまいます。MRI では全く異常がなく、精神科で診てもらうようにいわれましたがそこでも何もなく、脳神経外科に行っても別の鎮痛剤を出されるだけで、いっこうに良くなりません。今は起きているのも辛く、ずっと横になっている状態です。頭痛の前は学校にも元気に通い、友達と遊びに行ったり、部活も楽しく遅くまで頑張っていたのに、今は何も出来ず可愛そうです。今住んでいる所には頭痛外来専門の病院がなく、月に1度専門の先生がきて診察してもらっているのですが、連絡も取れないので指示を仰ぐ事も出来ず1カ月後の診察をただ待つだけです。今辛い頭痛をなんとかしたいのに、どうしたら良いのでしょうか?片頭痛だけの痛みなのでしょうか?

性別:男性

年齢:16 歳

ハンドルネーム:アメリカンドッグ

いつから頭痛がはじまったか:中学 2 年生

A

ご心配かつかなりお悩みであることと存じます。まず、悪い状況を少しでも打開する切り口として、患者さんや家族だけで抱え込まずに、Web上の慢性頭痛の情報:「日本頭痛協会」https://www.zutsuu-kyoukai.jp/、間中信也先生の主宰する「頭痛大学」の案内板 http://zutsuu-daigaku.my.coocan.jp/、図書館で頭痛専門医(例:藤田光江先生、竹島多賀夫先生、大和田潔先生など)による著書を調べると、診断や治療法があるのが分かり、知識が増え視野が広がると思います。また、ご記載を読みますと、これまでは、頭痛を頭の痛い症状とされてしまうことも多い一般の小児科や脳神経外科で診療を受けられてこられたという印象があります。ここは思い切って診断や治療のリセットをお勧めいたします。日本頭痛学会認定の専門医をご参考にしてください。頭痛を脳や神経系の疾患として診療することを仕事としている“頭痛専門医による”「頭痛外来」での診察により、①頭痛がひどくて学校に行けないのか?②学校に頭痛の原因があるのか?③その両方か? ご本人とご家族別に診察を受け直してみましょう。受診までの移動時間や待ち時間受診費用など一見労力がかかるイメージもありますが、急がば回れという格言もありますね。頭痛専門医に直接、数回の診察を受けて、治療の「短期目標」と「長期目標」とが決まれば、自宅から通院しやすい一般病院やかかりつけ診療所にお手紙を書いてもらうこともできると思います。また、最近は、頭痛 click というクラウドによる診療ツールにより頭痛の自己管理ができるサポートツールもあります。さらに近い将来、頭痛外来も遠隔診療(これまでは、主に離島などからの画像診断に使われた)の整備が進んできています。もし、遠隔診療が受けられるようになれば、年に少数回の直接診察はあるとは思いますが、普段は頭痛専門医とご本人がPC画面やスマホ画面で診療を受けれる可能性も出てきています。諦めずに情報のアンテナを張り続けてみてください。