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女性特有の悩み

Q

30 歳で出産し、その後から頭痛が始まりました。出産直後はなれない子育てのせいと思っていたのですが、だんだんひどくなってきており、最近では、ズキズキする強い痛みや、吐き気がする時もあります。これってどこか悪いのでしょうか?まだ、子供が小さく医者にもなかなか行けないので市販のノーシンを飲んでいます。このままほっておいても大丈夫でしょうか?

性別:女性

年齢:31 歳

ハンドルネーム:もえちゃん

いつから頭痛がはじまったか:1年前

A

まず,片頭痛は妊娠可能年齢の女性に多く,妊娠中と授乳中の片頭痛治療をどうするか問い合わせが多いという背景があります。多くの(60~80)片頭痛患者は妊娠中(妊娠初期から後期に至るにつれ)には片頭痛発作の頻度が減少します.一方,前兆のある片頭痛は,前兆のない片頭痛に比べ軽減度が低いと報告があります.特に前兆のない片頭痛の患者さんは,分娩後は1ヶ月以内で半数以上の患者で片頭痛が再発するとされています.あたたは,出産後に頭痛を発症(初発<おそらく再発)されています.出産後にもとに戻った“前兆のない片頭痛”(もともと前兆のない片頭痛であった?)の疑いが高いと考えます.どこが悪いか?(すなわち原因は)片頭痛の病態メカニズムは,三叉神経血管系,脳幹部の下降性疼痛制御系と各種の神経タンパク(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)とセロトニンとその受容体(5-HT1B/1D 受容体),が片頭痛に重要な役割をはたしているとされています.これらは,脳 CT や MRI では全く正の結果となります.ノーシンは,アセトアミノフェンとエテンサミドとカフェイン水和物の複合製剤です.まず,全ての消炎鎮痛薬は,根本的に片頭痛の原因(片頭痛脳への病態)そのものに対する効果はない(建物が火事と仮定すると、周りでバリケードを張っているに過ぎない)とご理解して大きな間違いはありません。このまま放っておくべきではないと考えます。近くの頭痛外来を受診することをお勧めいたします。子供さんをだっこしたままでも,きっと要領よく(最小限の検査はあるかと思う)あなたの病状を診断し,適切な治療を教えてくれるはずです。

Q

月に 1~2 回「ズキン、ズキン」と脈にあわせたような激しい頭の痛みがあります。片側が痛む時や、両側が痛む時があり、時によっては片目にぎらつく光が走り、目の奥からズキズキしてくることもあります。これって普通の頭痛ではなく、脳に異常があるのでしょうか?とても心配です。

性別:女性

年齢:32 歳

ハンドルネーム:ズキズキ

いつから頭痛がはじまったか:30 歳の頃(はっきり覚えてませんがたぶん、職場が代わり住まいを引っ越しした頃から)

A

片頭痛は,15 歳ころから発症率が増加し,30 歳台にピークがあります.性別では, 男性が 3.6%,女性が 12%と,女性が男性の 3.6 倍もの有病率です.片頭痛のタイプ別に有病率を見てみると、前兆のない片頭痛は男性が 2.1%、女性が 9.3%、前兆のある片頭痛は男性 1.4%、女性 3.6% という調査結果が出ており, 前兆 のない片頭痛が女性に多く見られることが分かります. 前兆のない片頭痛は月経との関連も指摘されており, 片頭痛の病態に女性ホルモンの影響も考えられています。あたなの頭痛は,ぎらぎらするジグザグする光(視覚前兆)がある頭痛発作は月経前後と関連ないときには前兆のある片頭痛では?と診断します.(もし,月経 前後の片頭痛には前兆は認められないのではないでしょうか?)。片頭痛が日常生活に及ぼす影響はいつも寝込むが 4%、時々寝込むが 30%,寝込まないが支障大が 40%と,実に74%が日常生活に影響を受けています。とくに女性は男性に比べて、支障の度合いが大きいという結果も出ています.これは、我慢してやりすごすことは難しいことを意味していると思います.片頭痛は脳MRIを撮っても異常がないのが特徴です.脳のCT やMRIで異常がないのは, 二次性頭痛といって、恐ろしい頭痛を除外したことにすぎません。片頭痛の原因は脳にあります.あきらめずに原因である脳の治療をお勧めいたします.

Q

子どもを産んでから生理痛がひどくなり、生理が終わったら片頭痛が起こるようになりました。特に夏場はエアコンの部屋にいると余計頭痛が増えます。対処法を教えてください。

性別:女性

年齢:28 歳

ハンドルネーム:ママさん

いつから頭痛がはじまったか:27歳(出産後から)

A

片多くの(60~80%)片頭痛患者は、妊娠中(妊娠初期から後期に至るにつれ) には片頭痛発作(いわゆる‘生理痛’)の頻度が減少します。ライフスタイルの欧米化や仕事の継続など不安要因が多いと、妊娠後にも片頭痛が減らない(または悪化する症例もある)方もあり注意を要しますが、前兆のない片頭痛の患者さんは、分娩後は1ヶ月以内で半数以上の患者で片頭痛(いわゆる‘生理痛’)が再発するとされています。

ママさんは、もともとの‘生理痛’と自覚されている症状が片頭痛である可能性が高いと思います。月経(女性ホルモンの変動)前後は、片頭痛を起こす強い誘因です。生あくび・涙・だるさ・倦怠・首筋のこわばり・眼の奥のしぶさにきりきり・しくしくする腹痛に吐き気を伴う月経時片頭痛や月経関連片頭痛の方々が多くいらっしゃいます。

 

一般に片頭痛は、風通しの悪く暑い部屋で悪化し、風通しのいい快適な空間では   悪化がすくないとされています。エアコンで余計頭痛が増えるのは、“寒冷刺激による頭痛”(①外的寒冷刺激による頭痛、②冷たいものの摂取または冷気吸息に  よる頭痛)のうち、①に該当する頭痛が加わっている可能性を疑います。対応は、 もともとのいわゆる‘生理痛’を片頭痛として認識し、その誘因(月経前後や排卵期、光・音・におい・味、乗り物、その他)と症状の特徴の経過をみて、適切な治療(予   防に適切なトリプタンにNSAIDs の併用など)を受けることをお勧めいたします。

Q

頭痛クリニックに通っています。その病院の先生には、片頭痛はホルモンと関係しているから閉経後は軽くなってくるので、それまではうまく付き合うしかないよって言われました。始めは真面目に通院していたのですが、最近は、ひどい時だけクリニックに行ってます。頭痛のタイミングは生理の前後や排卵日の前後です。ひどい時は吐いてしまうほどで、耐えがたいほどの眠気に襲われ半日寝込んでしまうこともあります。そろそろ年齢的にも閉経かな?と……本当に頭痛って軽くなるのでしょうか?生理不順のため、いつどこで起こるかわからない頭痛の為に絶対薬を持ち歩いています。突然、頭痛が始まったらと思うと、怖くて遠くまで旅行にも行けません。予防方法があ れば楽なのにと思います。

性別:女性

年齢:48 歳

ハンドルネーム:そろそろかな

いつから頭痛がはじまったか: もう 8 年くらいです

A

一般に片頭痛は閉経により 2/3 は治ると報告されていますが、閉経後も治らない場合やむしろ増悪する場合もあります。それは、片頭痛によりサーカディアンリズムが乱れ、健康な生活が阻害されていたり、結果として多い発作を我慢していて脳の興奮性が高いままだったり、更年期になって高 FSH(follicle-stimulating hormone; 卵胞刺激ホルモン)血症による様々な症状(いわゆる更年期障害)やソーシャルなファクター(親の介護・夫の社会立場の変化・子供の社会進出など)が影響する場合があるからです。ご自身の頭痛ダイアリーをもう一度見直してみることを勧めいたします。ダイアリーをつける場合に基礎体温をつけて、排卵日と月経日を予想しておくことも有効です。自分は前後かなと思っていても、基礎体温付のダイアリーを見直し、もし、月経第1日目が多いと分かると、その2日前からの予防療法(NSAIDs や COX-2 阻害薬・比較的半減期の長いトリプタン製剤)を試す価値(片頭痛が来ない、または仮に予想通り片頭痛が始まっても軽く済む、重症度が軽く吐かない、持続が短く翌日はすっきり、トリプタンの効き目が良好になることがあるので)はあると考えます。また、そもそも月経時および月経関連片頭痛は、特に、重症度が高く、持続時間も長く随伴症状も強度(吐くか寝込むまで治らない)であることが分かっていますので、急性期治療にトリプタンに NSAIDa(ブルフェンなど)を併用すると有効性が高まることも分かってきています。

Q

PMS(月経前症候群)を軽減するために低用量ピルを服用するようになってから頭痛が起きるようになった気がします。生理の終わり間際(休薬5日目頃)に片頭痛になります。毎回ではありませんが、結構きついので、対処法があったら教えてください。。

性別:女性

年齢:22 歳

ハンドルネーム:

いつから頭痛がはじまったか: 20 歳から

A

お困りですね。まず、応急的な対応として(あくまでも紙面からの推察ですが)、低用量ピル服用に伴う頭痛は、投薬(服薬)方法によっても頭痛に対する影響度が異なると報告されています。頭痛がプラセボ(偽薬)か休薬期間でより起こりやすいのです。したがって、低用量ピルを連続投薬(服薬)する方法や休薬期間中にエストロジェンを補充する方法などが考えられます。次に、根本的な対応として、そもそも片頭痛は性成熟期女性では頻度が高く(12.9 )、それらの方々が避妊(ホルモン避妊法は最も効果的な避妊法の1つとして確立)のほかにも婦人科疾患(月経前症候群・子宮内膜症など)や皮膚科疾患の治療目的として、エストロジェンとプロゲスト―ゲン配合剤である結合型低用量経口避妊薬の服用を考慮される場合も多いと思います。つまり、若年女性での婦人科疾患 (月経前症候群・月経困難症・子宮内膜症など)の治療の第一選択は長期使用が可能で副作用の少ない低用量ピルで治療を受けることが多いと思われます。しかし、ピルは前兆のある片頭痛患者の脳梗塞リスクを高める可能性があり『慢性頭痛診療ガイドライン』では、ピルの服用は前兆のある片頭痛では原則禁忌、前兆のない片頭痛でも慎重投与と明記されています。したがって、子宮内膜症を共存する片頭痛患者さんへの対応として妊娠機能の温存目的に低用量ピルが投薬されてる場合は、継続したほうがよいでしょう。しかし、前兆を伴う、あるいはその他の脳梗塞のリスク因子(肥満・高血圧・喫煙など) を有する場合は、黄体ホルモン製剤(ジェノゲスト)など別の方法を選択するべきとの報 告もあります。子宮内膜症患者さんの約 4 割に片頭痛が認められたとする本邦の報告や片頭痛患者さんには約 2 割に子宮内膜症が認められたとする海外の論文があり、片頭痛と子宮内膜症とは、ひとりの患者に共に存在する疾患で“共存症”と考えるべきとする意見もあります。ぜひ、頭痛外来を受診し、あなたの婦人科の先生との水平連携(専門医同士の横の連携) によりお困りの症状の原因を診断し、適切な治療を受けることをお勧めします。ご参考までに(日本国内には婦人科専門医で頭痛専門医の先生は 2 名しかいないようです:日本頭痛学会認定頭痛専門医一覧より)

Q

私は生理不順ですが、生理になる前、必ずと言っていいほど頭痛が始まりそろそろだと分かります。頭痛はいつも左側だけで、目の奥から始まってこめかみ、奥歯がウズウズ、肩がパンパンで痛い、吐きそう!頭の左半分取り外したい~~!となり、生理がきてピタッと頭痛は止まり、生理痛に変わります。毎回ほぼこのパターンです。頭痛が始まると近所のクリ  ニックで処方してもらったトリプタン製剤を飲んでいます。最近、薬が効かない?痛みが治まらない時がある?のですが、薬を増やすと薬漬けになりそうで怖いのですが、薬以外で痛みを治す方法はありませんか。

性別:女性

年齢:23 歳

ハンドルネーム: ヨッチ

いつから頭痛がはじまったか:20 歳過ぎた頃から

A

あなたの生理になる前に繰り返し起こる頭の痛さだけではない様々な症状は脳に原因のある片頭痛と考えます.月経(エストロジェンという女性ホルモンの変動)前後は、片頭痛を起こす強い誘因です。生あくびから始まり、目の周囲筋肉のぴくつき、強い倦怠、頸や肩の筋のこわばり、眼の奥のずきずき、歯などいずれも三叉神経の領域です.一方、頭痛が収まった後に‘生理痛’とおっしゃられているのも片頭痛に関連する消化管症状(きりきり・しくしくする腹痛に吐き気を伴う)で月経   時片頭痛や月経関連片頭痛の方々が多くいらっしゃいます。月経以外の誘因(月  経前後や排卵期、光・音・デパ地下などのにおい・味、乗り物、人込みなどの風通しの悪く酸素の薄いところ、空腹(不規則食事)などの環境不快ストレスが誘因とな   っていないかを見直してみましょう.そこで片頭痛になり始め(軽度でなく早期)に、トリプタンや制吐剤さらにはトリプタンと NSAIDs との併用をすることをお勧めいたします。また、片頭痛回数が多い(月に2回以上または6日以上)・一度の発作時間が長い・急性期トリプタンの効き目が悪いなどの場合には、『慢性頭痛の診療ガイ ドライン 2013』を参照にし,予防薬も考慮します.結果的に片頭痛の支障度が下がり,薬を飲む回数も減じることができると思います。

Q

生理前後に軽い頭痛があります。頭痛の時って、鎮痛剤をのんで乗り切るのも手ですが、それほどひどくないので、できれば自然な成分で頭痛を和らげたり、改善したりできればと思います。頭痛の予防や痛みの緩和に効くサプリメントを教えてください。また、どの程度効果があるのでしょうか?

性別:女性

年齢:20 歳

ハンドルネーム:学生

いつから頭痛がはじまったか:最近

A

自然食品やサプリメントとして販売・使用されているものには片頭痛予防効果が示唆されているものがあります。医療機関を受診するほどではない軽症の方、反対に各種のトリプタンや鎮痛薬、さらに各種予防薬(抗てんかん薬・カルシウム拮抗薬など)でも十分効果が得られない重症の患者さんへの併用治療として効果を発揮します。マグネシウム・リボフラビン(ビタミン B2)・コエンザイム Q10・ハーブ(ハーブティー)・アロマオイル・バターバー(西洋ふき)・フィーバーフュー(ナツシロギク)など全てある程度の片頭痛予防効果が期待できます。マグネシウムは神経の働きを安定化させる作用があります。毎日何回も薬(予防薬)を飲みたくない、副作用が心配、高額で嫌だなどいう方には、十分考慮される治療法だと思います。リボフラビンとコエンザイム Q10 は、細胞内のミトコンドリア機能を高め、脳のエネルギー低下を防ぐと考えられています。マグネシウムとリボフラビンは、日本頭痛学会の『慢性頭痛ガイドライン 2013』の予防療法で、グレード 2(グレード 1~5 の中の上から 2 番目)に該当し、医療機関の処方薬剤として使用されています。また、ハイボン錠(20mg・40mg)は、有効であるばかりでなく、1錠 6 円前後と安価です。

Q

私はもともと食べ物の好き嫌いが多いのですが4月に出産して授乳で子育てをするようになってから貧血が出始めました。先生からは鉄分不足と言われ食生活の見直しを勧められ、食べ物に注意してはいるのですが、頭痛も伴います。貧血と頭痛って関係があるのでしょうか?鉄剤の内服を始  める予定ですが、貧血が治れば頭痛も治るのでしょうか?

性別:女性

年齢:34 歳

ハンドルネーム:新米ママさん

いつから頭痛がはじまったか:4 月の出産後から

A

頭痛持ちの代表である片頭痛は、様々な誘因があります。その中で女性ホルモンの変化(月経)が大きな誘因になることが分かっています。あなたの場合には、妊娠中に止まっていた女性ホルモン(エストロジェン)の変動が出産後に再開したことにより片頭痛が増えた可能性が高いと診断します。一般に鉄は、1日に男性で 8mg/dl、女性で 11mg/dl 必要とされ、相対的に女性に貧血は多く(10 名に1人)なります。一般に貧血は高度になると身体に酸素が足りなくなり、倦怠感・息切れ・動悸・爪の病気や頭痛を呈する可能性があります。一方、  貧血には貧血そのもの(血が薄い)は身体に影響し、鉄欠乏(特に貯蔵鉄)は脳や脊髄の神経に影響が考えられます。ところで、片頭痛の病態には血管の拡張が関与しています。光・音・臭いや人混みおよび乗り物などは精神的肉体的ストレスとして脳が不快に感じ、気分ホルモンでもあるセロトニンが低下してしまい、体調の変化(イライラや過食)や予兆(生あくび、流涙、倦怠など) の後に、セロトニン欠乏により血管の拡張を来たし、片頭痛の進展につながる可能性が高くなります。ここで、セロトニンの生合成には、酵素として鉄が必要とされています。したがって、あなたの場合には、出産後の女性ホルモン(エストロジェン)の変動の再開や鉄欠乏を含む貧血と、もしかすると片頭痛の頻度増加による鉄の消費による鉄(貯蔵鉄)の減少などによりさらにセロトニン機能低下により血管の収縮拡張の不安定が増悪して片頭痛病状の増悪を来している可能性が高いかもしれません。‘鉄欠乏性貧血’には、ひじきや貝類および  ほうれん草を摂取いたしましょう。なかなか増えない場合には、ビタミンCと併用した鉄剤の服用が効果的である場合があります。貧血だけでなく、頭の痛さ以外の“脳の症状”について頭痛外来の受診をお勧めいたします。

Q

10 代から頭痛もちです。昨年、結婚しそろそろ子どもがほしいな~ と思っています。妊娠や授乳中に頭痛がおこったら薬はのめるのでしょうか?

性別:女性

年齢:28 歳

ハンドルネーム: 新婚さん

いつから頭痛がはじまったか:10 代から

A

片頭痛は妊娠可能年齢の女性に多く、妊娠および授乳におけるお薬による頭痛治療について患者さんからの問い合わせは多いです。さて、『慢性頭痛診療ガイドライン 2013』には、「発作が重度で、治療が必要な場合には発作頓挫薬としてはアセトアミノフェンが勧められる。妊娠期間中のトリプタン使用の安全性は確立されていないが、妊娠初期の使用での胎児奇形発生率の増加は報告さ  れていない。多くの患者は妊娠中には片頭痛発作が減少するため、予防薬が必要となる患者は少ない。また、予防薬は投与しないことが望ましいが、必要な場合にはβ遮断薬が挙げられる。授乳婦がトリプタンを使用した場合には、スマトリプタンは使用後 12 時間、その他のトリプタンは 24 時間経過した後に授乳させることが望ましい」グレード B と記載があります。*グレード A ではなく、エビデンスが不足していることがうかがわれます。一般に、妊娠初期から後期に至るにつれて片頭痛は軽減する傾向(妊娠後期で 60~80%で軽減)とされていますが、前兆のある片頭痛では、ない片頭痛に比べ軽減率が低いと報告されており注意が必要です。分娩後(授乳を開始する) の 1 か月以内に過半数が片頭痛を再発します。授乳は母乳栄養のほうが人工栄養より片頭痛悪化は少ないとされています。妊娠中の薬物の危険度は、‘薬剤そのものの危険度’と‘薬剤の使用時期’の  問題とされています。一般論として、①最終月経初日~27 日までは無影響期、②妊娠初期(特に妊娠 4 週~11 週末)は胎児の器官形成期のため、薬剤の使用は可能な限り避ける時期、③妊娠 12 週目以降は催奇形性の問題は起きないが、胎児機能障害・胎児毒が問題とされています。わが国では、厚生労働省の事業の一環である国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」によるサイトが利用でき、実際のリスクの高低が解ります。なお、あまりにも薬剤はどれもダメだと我慢しすぎていると妊婦の健康や体力が落ち良くない場合もあります。経験的に、頭痛治療(頭痛外来・婦人科)ではアセトアミノフ ェンが汎用されていますが、効果不良なことがあり、トリプタンの慎重な使用も必要な場合もあります。この場合には、症例ごとにリスク&ベネフィットを考慮した個別対応が求められます。